源氏物語 宇治十帖の舞台宇治界隈の寺社巡り:② 宇治神社
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アジサイ見物をお目当てに既報の「三室戸寺」を参拝後、ほぼ隣接する「宇治神社」と「宇治上神社」を参拝した。
とてもよく似た名前の両神社だが、宇治神社はとても簡素な神社であり、宇治上神社は宇治川を挟んだ平等院とともに宇治市で2ヶ所のユネスコの世界文化遺産として登録された「古都京都の文化財」(京都、宇治、大津各市の17ヶ所)を構成する神社である。
【 激流の宇治川 】
三室戸寺から宇治川畔に出ると、川面が激しくうねりながら白波が立ち、今までに見た記憶が無いほどの勢いで流れる荒れ狂った宇治川が目に飛び込んだ。これは、先日の豪雨による川下の洪水予防のために堰き止めていた上流の宇治川ダムの水門を全開しているためだろう。
激しい流れのため、宇治川の中州から対岸の平等院へと徒歩で繋がる中州へ架かる朝霧橋が利用不可となっていた。
全面通行止めの看板が… 朝霧橋
【 源氏物語 】
全五十四帖からなる「源氏物語」の、第四十五帖「橋姫」から最終の「夢浮橋」までの最後の十帖は宇治を舞台として描かれ、『宇治十帖』として知られる。
宇治を訪れた人々は、古来より設けられている「宇治十帖の古跡」を訪ねる。
既報の三室戸寺には鐘楼脇に「浮舟古跡」と刻まれた石碑が建っているが、物語は、主人公光源氏の子・薫と孫・匂宮が主人公として描かれ、その「匂宮と浮舟」像が朝霧橋詰めに建立されている。
【 宇治神社 】
(経緯)
明治以前には、宇治神社は「下社」、「若宮」と、宇治上神社は「上社」、「本宮」と称され、両社併せて「宇治離宮明神」、「宇治離宮八幡宮」と総称されていたようだが、明治期に、両社は分離されたようだ。
(祭神)
祭神は1柱で、『日本書紀』では「菟道稚郎子」、『古事記』では「宇遅之和紀郎子」と表記されていたらしい「菟道稚郎子命」(うじのわきいらつこのみこと)で、第15代応神天皇の皇子。天皇に寵愛され皇太子に就くも、異母兄の大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に皇位を譲るべく自害し、皇位を委ねた。
神社の創建は定かではない。
鳥居
拝殿
中門
本殿
境内はコンパクトで、訪れる参拝者も少なかった。
来年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の放送が始まれば、この辺りも脚光を浴びるのでしょう…
この大河ドラマは、執筆した紫式部が描く世界最古で世界最長の長編ラブストーリーである「源氏物語」をターゲットにしているので、間違いなくちょっとしたブームになるはず…