和らぎ処

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人体の不思議:神様が創った男女の特徴と差

 

神様が緻密に造り上げた男性と女性…

 

両者は、外見的には実によく似ている…

男女間で、どこが、どのように、どの程度、異なるのか…

種の保存に適した胸部や陰部は確かに差が歴然だが、他には…?

しっかりと見比べると見えてくる、男女の差…

 

神様は、何故に男女に微妙で繊細な差を設けたのか…

これまでにメモってきた諸々の内容を男女差という視点で整理して、男性と女性の主な特徴を列記してみた。

 
 
Ⅰ.生殖器
 大気汚染、水質汚濁、土壌汚染問題が深刻化した1960年代頃から、人的健康問題と絡めて環境汚染公害が社会の関心事となり、当時は、生殖機能への影響も懸念されると盛んに議論されていたが、最近は話題性価値が減じたのか、改善されたのか、注目度が低下している。
 
 生殖問題では、先天的特性により自然逸脱した異常例もあれば、加齢的な機能低下による異常例リスク増大や、社会活動に伴う環境的な負の要因が起因と推測される異常例等が混在しているだろう。
 
1.男性
 1)生殖器
    組織的には、陰茎、陰嚢、精巣、精管、精嚢、前立腺尿道から構成される。

    陰茎には3つに分かれた勃起組織の海綿体があり、血液で満たされると固く大きく勃起する。

    精巣上体はコイル状になった微細な管で、伸ばすと長さが約6m弱
 
    発生学的には、睾丸等を包む袋の陰嚢は中央に左右からの接合痕が線状に残る。
 
 2)受精を果たす唯一の幸運な精子
   精液中に含まれる精子の総数は約1億匹。元気に動き回る精子は少数…
   卵管まで辿り着く精子約100匹
   精子にとって過酷過ぎる子宮内の環境では、精子の生存率は約3日間
   その内の1匹卵子との受精を果たす。
   精子の移動距離は約18cmだが、人に例えるなら、約6kmの遠泳距離に相当。
 
 3)精子検査基準
  WHOマニュアル2021年版(第6版)
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 精子量   濃度   総精子数  運動率  前進運動率  生存率  正常形態率
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  1.4 cc          1600万/ml       3900             42%                  30%                54%                4%
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  *加 齢 :加齢により、これらの値が悪化傾向を示す。
        即ち、加齢により受精能力が低下する。
  *妊娠確率:25才を基準に35才との比較では、およそ半減するとされる。
        即ち、高齢男性は、受精効率の低下が著しい
 
 
2.女性
 1)生殖器
       女性の生殖器である陰唇は陰茎先端部等と排尿期の先端部が大陰唇、小陰唇の二つに分かれていて、発生学的な観点から見ると進化の痕跡とされる。
 
 2)生涯生理回数
       女性に特有な生理現象は、妊娠・授乳期間中は停止するが、閉経までの生涯生理回数を一世紀前と比較すると驚異的な差が見られる。
       一世紀前の女性と比べると、現代女性は生涯妊娠期間や授乳期間が減り、様々な負担が軽減された。
   だが逆に、生涯生理回数が大幅に増加し、それに伴う負担増は無視できない。
 
    <100年前>    85 …… 妊娠・出産回数多。授乳期間長。
    <現   代> 450 …… 妊娠・出産回数少。生理回数が5.3倍多い。
                  生涯妊娠回数、授乳期間が影響。
 
                 生涯生理回数は、
                                               100年前の女性よりも
                      現代女性の方が5倍以上も多い。
 
 3 卵子良質度:年代別
  *加齢:加齢により卵子の質が低下し、受精能力が低下する。
  *妊娠確率:30才台後半以降では急速に低下
        即ち、高齢女性は、受精効率の低下が著しい
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    年代     20~24       30~34     40~44  
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
   妊娠率(%)  100    85    35     …30代から低下
   不妊率(%)         ≒15    <30     30代から上昇
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 4)卵子
  *加 齢 :加齢と共に卵子の産生力が減少する。
  *妊娠確率:30才台後半以降は受精確率が急速に低下
        即ち、高齢女性は、受精率の低下が著しい
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
  年代   胎生期20週頃 出産時期 思春期~生殖適齢期 ≦37  閉経期(≦51)
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 卵子数(万)  600~700  200   30~50       2   0.1
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              毎月の生理を軽んずるコトなかれ…
             健全な卵子を望むなら排卵適齢期がありそう…
 
 5)出産適齢期
成熟精子と成熟卵子との出会いが前提だが…
出産にも”適齢期”があるようだ…
 
その卵子排卵後の寿命はわずか1日
 
  元気な健常精子群が、過酷な環境の子宮内を生命を掛けて泳ぎ抜き、勝ち抜いた唯一の精子だけが健常な成熟卵子と巡り会ってようやく受精となる。
 
 <精子卵子の成熟度と受精・妊娠・出産適齢期>
  精子卵子成熟度の適齢期間男性側は比較的長く女性側は少々短くなる。
  健常性が劣る年齢期の受精卵は、流産率が高まり、健常児出産率が低下する傾向にある。
  このことから、大まかだが、好ましい受精適齢期出産適齢期が推察される。
 
  正常な妊娠・出産・新生児を願うには、受精時に、精子側も、卵子側も、成熟時期にあることが重要
  精子卵子成熟度の適齢期間男性側は比較的長く女性側は少々短くなる。
  健常性が劣る年齢期の受精卵は、流産率が高まり、健常児出産率が低下する傾向にある。
 
  このことから、大まかだが、好ましい受精適齢期出産適齢期が推察される。
 
 *妊娠のし易さ:概ね32才頃までは緩徐に低下し、37才頃から急激に低下する。
         末っ子は母親の30才台前半までに…が好ましい?
 *卵子染色体異常:35才頃から異常率が上昇する。
 *母体年齢と流産リスク:母体年齢が35才頃から妊娠率が低下傾向を示し、35才で流産リスクが3倍弱と高まり、39才頃から出産率が急減し、流産率が上回る。
 *晩婚と流産リスク:母体年齢、カップル年齢の高齢化につれて妊娠率が低下し、流産リスクが高まる。
健常な出産を望むなら、高齢出産を避けるべき…か。
男女共に高齢の場合には、
妊娠、出産、新生児の異常リスクが高まることに留意が必要…か。
       留意神様が造り上げた人間の身体の仕組みはとても緻密…
        人類の子孫繁栄に必須の出産にも緻密な配慮が働き、
          緩やかに仕組まれている出産適齢期は芸術的…
 

 6)安産への工夫:

   二足歩行のヒトは『小さく産まれて、大きく育つ』という特徴がある。

  *頭蓋骨

   ヒトの頭部は、重要な知恵の塊「脳」をガードするために数個の断片が組み合わさった球形の頭蓋骨で保護されている。

   大きいヒトの頭部は、出産の際には安産の妨げになりやすく、神様は一計を案じた。

   胎児期には頭蓋骨の各断片に隙間を保ち、産道通過時に受ける頭部への圧力を頭蓋骨の変形という妙手で切り抜けた。誕生後、頭蓋骨の隙間は成長につれて密着し、脳の強固なガード装置となる。

  *肩

   幅広の肩は、二足歩行の安定化に重要な役割を果たすが、狭い産道を抜け出すには支障を生ずるので、神様は一計を案じた。

   胎児期に、鎖骨の成長速度が胎児期から出生直前にかけて減速し、出生後に再加速している、という。

   肩幅が狭い状態で産道を通過させるという安産のための神様の工夫だ。

                                 (京大理学研究科)

 7)初乳:
  出産後約3日頃までに分泌する母乳をいう。
  分泌量は約40~50ml/日とごく少量。
  新生児の胃袋の大きさは、ビー玉サイズ… とても小さい。
  初乳は栄養価は満点…! 脂肪分が少なく、高栄養で、新生児の免疫系にも重要。
 
 
Ⅱ.性別差
 ここでは、相違が明白な生殖に関わる生殖器、生殖機能、生殖行動、内分泌等は言及せず、関心を向けると見えてくるような性差を取り上げる。

1.骨格

 これら骨格構造の男女間の相違が体型や動作に男女差を感じやすくさせている。 
 
 1)肩関節: 人体で可動域が最も大きな関節。
       ー男性らしさ、女性らしさの動作やシルエット形成に影響…ー
  上腕骨の上腕骨頭(関節稼働部分)が丸くて大きく、それを受ける身体側の肩甲骨関節部の窪みが浅くて平らな形状のために動きやすい。
  半面、脱臼しやすい不安定さを伴う。 
  この上腕骨と肩甲骨関節部の接合状態が男性と女性で異なり、この相違が男女の     体型や動作に男(女)らしさとして感じられる。
    上腕骨……男性では肘が体側から離れる方向に。行動的。
            女性では肘が体側に接する方向に。  防御的。
 
 2) 股関節
  肩関節の接合と構造的によく似た関節で、大腿骨頭はほぼ球状で、骨盤側面の寛骨臼の窪みにスポッと収まっている。
  この股関節の大腿骨との接合が男性と女性で異なり、この相違が男女の体型や歩行姿勢、剤姿勢等に男(女)らしさとして感じられる。
    大腿骨……男性では膝が外側に開きガニ股のO脚気味に。
            女性は膝が内側にくっ付き内股のX脚気味に。
 
 3)骨盤
    骨盤………男性は、骨盤が狭小なハート形。仙骨幅が狭く、垂直に長めの形状。
         女性は、骨盤が顕著に横長の楕円形で、仙骨は短くて幅広の形状。
         ゆえに横広の腰部、細いウェストの胴部が生じやすい。
                                        ー女性らしいシルエット形成に強く影響…ー
 
2.皮下組織
 1)体内脂肪
   脂肪の存在部位により、体脂肪(率)、内臓脂肪、皮下脂肪(率)に区分される。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

         体内脂肪        男性            女性

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  体脂肪率  適正域(概略)    10~20%        20~30%
  内臓脂肪  適正域(概略)  ウェスト  85cm      ウェスト  90cm
  皮下脂肪率 適正域(概略)        8~17%        18~27%

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   脂肪量は、いずれの部位でも男性よりも女性が多い
   肌に触れた感触が男性は硬く、女性は柔らかく感じる所以である。
 
 2) 年齢的・外見的な男女差
   <年齢的
   幼児期はお腹ぽっくり型が多く、小学生時代まで男女に顕著な差がみられない。
   中学生頃から男女差が顕著となる。
   男子は主として内臓脂肪が増える傾向にある。
   女子は主に胸、太腿、尻に皮下脂肪が沈着する。 
   <外見的
   外見的には、薄い皮下脂肪層に包まれた男性とは異なり、女性の全身にほぼ均等に分布した皮下脂肪により、丸みを帯びた柔らかな肌となる。
   外皮温は、ほぼ体温に近い男性に比べて、女性の厚い皮下脂肪層は保温性に優れ、女性の皮膚温は体温を食い止め、外気温に冷やされ、触れるとひんやりと冷たい。
   肥満体型では、男性は腹部皮下脂肪の沈着が顕著で、女性は全身的に皮下脂肪層が厚くなり、閉経以降は腹部の脂肪沈着が著しくなる。
 
 3)筋肉
   筋肉は、形や構造等に大きな男女差がみられず、ほぼ同じ。
   異なるのは、筋肉の大きさ、重さ、筋繊維の種類等。
 
3.本能
 1)男性
   行動が論理的で、意義や結論を求める傾向が強い。会話が論争的。
   なぜ?、何を?、どのように?、どこまで?と論理的説明を求めたがる。
   定められた目標への邁進力に優れるが、目標達成への選択肢が多ければ鈍る。
   理詰めを好み結論や結果の獲得に達成感を覚えるが、同時並行的な行動が不得手。
   潜在的に秘める闘争心を理性が抑えて人格を形成。
 
 2) 女性
   思考が感性的で、目的完遂よりもその過程を楽しむ傾向がある。 
   会話が討議や論争的ではなく、雑談的だが、結論を求められなくても費やした時間 に満足感を感じられる。 
   また、物事の同時並行的な行動が得意。 
    差があるが、抱擁、優しさという母性本能的な面が人格を形成。 
 
 3)涙腺
   涙腺…
   『男は生涯に三度泣く』だけなのに
   『女性は涙もろい』のは涙腺が緩いから…とか。
 
          これって、ホントらしいけれど ホント? かなぁ…… 
 
 
【 総括 】
以上、なんとなく見過ごしそうな、見え辛い男女の差異と特性を並べてみた。
調べたらもっと差異があるだろう。
これらの差異に、生殖関係や性ホルモン関係に起因する差異を加えると、男女の差異が一層明確に見えてくる。
人為的には、性的構造の差異をそう簡単に改造はできっこないほど繊細で複雑な人体の構造…
 

近年は、ジェンダー論が声高に議論される時代になってきた。

だが、性とは何ぞや、生殖とは何ぞや、生理機能とは何ぞや、人体の構造とは…等々を正しく理解しての主張であるかどうかがあやふやな意見も少なからず耳にする。

聞く側としては、違和感、不快感…を抱くだけ…

正しい豊富な知識を土台にして熟慮して練り上げた意見を戦わせて欲しいものだ。

この世に男と女の両性が存在する限り、存在する根本的な両性の差異を無視して、完全にすべてを同一視すれば、或いは、一部だけを無理矢理に同化させようとすれば、他者に違和感を与えるだけで、他方の性に我慢を強制するリスクがあり、歪んだジェンダー論を押し付けるリスクがある。

 

列記したこれらの明白な本来の男女の相違の存在を理解し、他方では性別的特徴が弱い少数集団の存在を認識しつつ、これらを前提に、ジェンダー論が正しい方向性で進化することを願いながら、神様が設計した精密な人体を見詰めたいもの…

 
男性も、女性も、双方がお互いに正しく異性を理解するには、神様が創られたこれらの差異が存在すると言うことを常に留意しておくべきであろう。
故に、一部の構造や機能を人為的に変化させるだけでは生まれながらの性を変更可能とは言えず、自己満足の域を出ないと言えようか。
神様が緻密に造り上げた繊細なヒトの身体を、仮装では無く、本気で別の性へと一部だけを人為的改造を試みようとしても、他の部位が元の性の形状や体質のままなら、第三者的視点からは単に奇異に映るだけ… 不快感を覚える人も居るだろう。
生まれながらの自分の性に違和感を覚えるという場合、生殖器官・機能の発達度合い、性ホルモンの分泌機能低下、感受性等々の要因が強く働いている可能性にも留意が必要か…
 
これほど微に入り細に入り、男女に微妙な差異を設けた神様の神力を、ヒトの知力で人為的に性転換させる試みは全く無謀…と思える。
器質的異常例の部分的な施術なら可能性があり得るか…
無形の意識的違和感の是正は可能だろうか…
それとも、意識の違和感を生じさせた社会的な要因の追求が先決か…
神力に劣る人知では実に難問題…
 
これらの複雑な生理機能に影響を及ぼす要因として、出産の高齢化、自然環境や社会環境の悪化の程度にも注目しておくべきだろう。
近年は、自覚的、他覚的に構造的、意識的に違和感を抱く人たちが増加しているような印象を受ける。
主たる原因は、晩婚化の生理的要因か、社会的な要因か、自然環境の悪化か…
何らかの要因の影響を強く受けているような…
 
 
このままでは、神様の緻密な想定の範疇から外れて、やがては人類滅亡へと進み兼ねないと危惧されよう。